2009年10月4日日曜日

【読書】奥園壽子のほのぼのほどほど「家庭料理の底力

朝の散歩の後に本屋に寄り、奥園壽子さんの『奥園壽子のほのぼのほどほど「家庭料理の底力』という本を購入し、先ほど読み終えました。

彼女は自称、ナマクラ流ズボラ派家庭料理研究家という肩書きで知られる料理研究家の方です。
彼女の「ズボラ」というコンセプトはユニークで、しかも現代の働く女性には合っていると思います。多くの女性が仕事と家庭を掛け持ちしつつあり、限られた時間ででも手作りしたい場合には、さっと作るための工夫がそれなりに必要になってくるからです。

また、奥園さんが大切にしているのは、料理することを楽しむメンタルな部分です。疲れていてやりたくないと思ったら市販のおかずを買ってもいいし、そのことに罪悪感を感じることはないと書いています。
私はこの考え方に賛成です。男性だって仕事は週2日休みがありますが、食事はそういうわけにはいきません。しかも自分も働いているなら、お惣菜や外食を上手く取り入れて、(罪悪感で)嫌にならない程度に休み、しっかり気分転換をして次に挑むべきだと思います。

私の母は、パートで働いても、食事は毎日手作りで掃除も毎日していました。自分が結婚しても仕事を続けた最初の頃、同じようにできない自分にひどく罪悪感を持ったのを覚えています。
ですが、自転車で10分の場所で働いていた母に対し自分は片道1時間以上の電車通勤、パートと違い正社員であれば定時で毎日帰るというわけにもいきません。

このとき、母以外の料理のやり方を自分なりに作っていかないといけないんだ、と思いました。例えば、食卓に出すメニューの数を絞ったり、冷凍庫、電子レンジや圧力鍋などを駆使して調理時間を短縮することなどです。自分の家庭の味(あんまりないけど)を守りつつ、それを違う方法で再現する必要を感じました。

奥園さんの本の中では、主に乾物を戻すことを水分のあるものと併せることで戻す手順を省くことに挑戦しています。干ししいたけなど、使うと美味しいんだけど、戻す時間が必要でなかなか使いづらいものが、目からウロコのダイレクトイン!なのです。でも、結果としてしっかり戻り、美味しく食べられるのだからすごい。

よくビジネス書で常識を疑え、なんてフレーズを見かけますが、家庭料理の常識を覆す発想が素晴らしい。その視点は謙虚に「ズボラ」という言葉で表現されていますが、女性のライフスタイルの変化とともに必要な進化だと私は感じました。

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