2011年9月4日日曜日

【本】アンアンのセックスできれいになれた?

ananと私の誕生は一日違い。私も「SEX特集」に目を丸くし、個性的で美しいグラビアに目を奪われた世代です。その40年間で扱われた性に対するコメントやSEX特集を追った北原みのりさんの「アンアンのセックスできれいになれた?」は、その時代の女性の価値観を鋭く分析していて、とても興味深く読みました。

特に00年代の記載がジェネレーションギャップを感じて悲しくなりました。 SEX特集においてもビジネス書的自己啓発の匂いが強くなり、努力を求められるとされること。
そしてその内容の???なことと言ったら!男の母になるのか?というような内容でした。

プロフェッショナルに指南してもらうのも参考になるかもしれませんが、感性とオリジナリティが大切だと思うのですよ、こういうことって。リラックスして楽しむものなのに、頑張ることになってしまっている。それなら、面倒と言う人が増えるのも仕方ないかもと思いました。

女性がもっと自由に自分のためにSEXしてほしい、という著者の意見には共感します。
マニュアルに振り回されて過剰に相手に尽くしたりすることなく頑張らなくていいから、しなやかにゆるやかに、そして少しだけ貪欲に楽しむ。
オトコと同じように女にも性欲があることも自分から誘うことも堂々とできる世の中に早くなってほしいと思います。

あとがきのところも涙が出ました。冤罪に問われた厚生労働省の村木さんと渋谷で殺されてしまった東電OLを比較し女が社会で生き抜くための条件が書かれています。

折れない気持ち
体力
友達
経済力
家族の理解と協力

これは何も女性だけの条件じゃないと思います。
ただ、ただでさえ非協力的な状況や見えない壁に対し、より少ない体力で戦うためには機を計ってベストの状況で望まないととても勝ちめはありません。

女性にとってSEXがどういうことなのか、女であることが何を意味するのか定義も理解もしないよりちゃんと認識して戦う方が女としても生きやすいと実感する良書だと思います。

SEXを楽しむには自己肯定できることが大切なのに若い世代にはそれが伝わっていかない。このどうにももどかしい悲しい気持ちは何とかできないものかと思いました。

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